2,000坪の敷地に約800坪の建物。東和食品における生産・販売の拠点として、平成4年に茨城結城工場は完成しました。その大きな特長は、徹底した温度管理と衛生管理。枝肉庫、製品庫を始めとする製品貯蔵の空間は、常に0℃に保たれ、加工室、プラットホームにおいては1℃、室温は10℃に設定されています。衛生管理でも、工場内天井の適切な各所にて、オゾン発生装置を設定。また、金属探知機やアルコール凍結機など、安全・安心な製品をお客様にお届けするためのシステムを充実させています。
徹底的な清掃で外部からの菌をシャットアウト!
45坪と25坪。大小二つの枝肉室があります。徹底した温度管理で、常に0℃に保たれた枝肉室では、200頭以上の枝肉管理が可能です。
お客様に還元できる理由は、優れたカット技術にあり
枝肉を脱骨するメイン加工室の広さは47坪。常に、プラットホームは1℃、室温は10℃に保たれています。天井にはオゾン発生装置を装備。
『加工室には、毎日必ず専門の清掃業者が入ります。清掃段階での衛生管理を徹底。例えば、その日に使ったまな板は、1日消毒を行なうため、翌日に使用することはできません。問屋様向けとして枝肉を脱骨するのがメイン加工室で、量販店様や焼肉店様などの細かな各種要望に応えるのが成型高度加工室(高度スペックカット室)になります。
メイン加工室で特に気をつけているのは、コスト的なロスに繋がらないよう骨に肉をつけないこと。もちろん肉に骨をつけずカットすることも重要です。異物混入になってしまいますから。品質追求や価格訴求の点でお客様へ還元できるのは、やはり東和食品の優れたカット技術です。』
最先端の衛生技術として、必要箇所にオゾンを噴霧
以前はUV殺菌装置を使っていましたが、より効果的な衛生管理の方法であり、最先端の技術として、数年前にオゾン発生装置を導入しました。浮遊菌を死滅させ、ニオイの元を分解するなど、殺菌や脱臭の機能に秀でています。
『オゾンは噴霧し過ぎると、乾燥により食材が酸化してしまいます。ですから、夜中のみに使うなど、噴霧量を微調整しながら活用するのです。やはり、間違って用いてしまえば、良い菌も殺してしまいますし、人体に影響も出てしまいます。
洗浄用のハセッパー水との組み合わせで、より安全性を高めるのです。枝肉室、枝肉の搬入口、加工室など、お肉が空気に直接触れる部屋へ、最適な形でオゾンを噴霧しています。』
細菌検査室の設置で、緻密な自主検査が可能に!
細菌検査室は、平成9年4月に設置されました。最新の検査機材を導入。専門機関の指導のもと、自主細菌検査を実施しているのです。これにより、O-157、O-026、O-11、サルモネラ菌、黄色ブドウ球菌、大腸菌群、一般性細菌などの自主検査が可能となりました。
『世の中にO-157の存在が知れ渡った頃、専門機関であるイカリ消毒様の指導を受け、設備の導入と細菌検査室の設置を決断しました。これにより、外部から入ってくる枝肉の菌検査、輸送トラック庫内の菌検査が可能に。
トラック庫内の検査で問題が出れば、厳しく指導し、改善を行ないます。もちろん牛そのものに菌がある場合も厳しい指導を入れるのです。9項目におよぶ徹底した検査により、お客様へ、より一層の安心・安全の製品を届けることが可能となりました。』
確実性の伴ったスピーディーさが決め手!
約37坪の計量分別室では、加工室と同様、常に綿密な温度管理が行なわれており、鮮度を失わないシステムが確立されています。
『袋詰めおよび真空にする工程です。より真空密度を高めるため、お肉を湯通ししてから冷却水で冷します。生肉の裸な状態をどれだけ短くスムーズに、真空状態へ変化させ袋詰めできるか。また、どれだけ早く冷すかなど、流れの動作全てに的確な判断とスピードを要求されますが、これら一連の工程を管理しやすい形で工場ラインはつくられています。』
微細な異物混入も決して許しません
平成12年4月に導入されたのが金属探知機です。新型サーチコイルと高速DSPを採用したことで、製品影響を最小限に抑るため、微細な異物混入も許しません。
『計量分別室での計量後は、金属探知機により、異物混入を防ぎます。決して間違いが起こらないよう、毎日、テスターでのテストを実践。テスターピースは、使用する金属探知機メーカーの基準を遵守し、短い一定の時間ごとに必ず実施しています。』
美味しさと鮮度そのままに、肉細胞を壊さず瞬間凍結!
マイナス38℃~マイナス40℃の液体で、短時間に製品を凍結することができます。
『わかりやすい数字で表現すると、通常なら冷凍するのに3日かかる製品を30分で瞬間凍結させることが可能。肉細胞を壊さずに冷凍できることが、このアルコール凍結機の大きな強みです。これで凍結させたお肉を解凍すると、最初の生肉だった時と同じ状態になります。』
システムと人の力で、万全の温度管理を遂行
計量・分別された製品は、この製品庫で出荷を待つことに。製品によって、約94坪のチルド庫、約50坪の冷凍庫、約58坪の荷捌き室という3種類の場所にそれぞれ収まります。
『3種類ある製品庫のいずれでも、温度変化が極力少ないよう、設備としてのシステムとスタッフの注意力により、万全の温度管理を遂行。むやみに製品を動かすことも温度変化に繋がりますから、基本的なことですが、整理整頓が徹底されています。』
ハセッパー水の使用
ハセッパー水は強い殺菌力と高い安全性を誇る次亜塩素酸殺菌水です。食品、人体に無害で臭いもほとんど無いハセッパー水を清掃時に使用し、工場内の細菌増加の抑止に努めています。
【 スタッフのコメント 】
『オゾンを噴霧し、ハセッパー水も完備。枝肉は外部から運ばれてくるため、どうしても菌が施設内に入りやすい。ですから、清掃はかなりの頻度で、丁寧に行ないます。日常の清掃を徹底したうえ、床磨きを含めた大掃除も定期的に実行。他にも、落下した肉片や脂を確実に廃棄し、生肉に温度変化のダメージを与えないよう完璧な衛生管理を行ないます。』